父と母

実家から帰ってきて三日が経つ。

母は片付けが苦手、というかあまりやろうとしない。

それを父が片付けている。

「いろいろなことを興味を持ってやるのはいいけれど、やりっぱなしなんだから。俺がみんなかたづけているんだから。」

と、父が母に言ったって、耳が遠くなったのか、聞こえないふりしているのかわからないが、母はしれっとしている。

お父さん、大変だね、と、同情しそうになるが、

食事作りは全部母がやっており、

「お父さん、堅いものが食べれないから、なるべく柔らかいものつくってるの。」と、せっせと料理をつくります。

なーんだ、もちつもたれつじゃないか、と思った次第。

夫婦のことに首つっこむことないね。

母のADHD的なところを、私も見事に受け継いでおります。

父からは鬱っぽいところ、怒りっぽいところを受け継いでます。

そんなことを思いながら、後は、何を言われても「そうだね、そうだね、うんうん」

と、うなずいておりました。

あれほど、なぜ打たないと言われていた、コロナのワクチン接種の話は全くでませんでした。

ただ、気になったことは、母の体を触ったとき、「助けて、助けて」という、内なる声が聞こえてしまったことでした。

母がかわいそう、なんて思ってしまったのです。

 

実家から帰ってきてから、時々母のことを思い出し涙ぐんでいました。

ちょっと待てよ、なんかおかしいぞ?

 

母の今の状況をつくったのは母であって、私の責任ではないのです。

そのことに気づいたら、気持ちがスカッと晴れました。

 

そうは言っても、時々父と母の顔を見に帰ろうとおもいます。

そして、何より、命を与えてくれたことに父と母には感謝しかありません。